ネットの書き込みで侮辱された!被害者目線で解説する対処法と予防策

あなたは、ネット上で心無い言葉に傷ついた経験はありますか?

近年、インターネットやSNSの発展により、誰でも簡単に情報を発信できる時代となりました。しかし、その一方で、匿名性の高いネット環境を利用した誹謗中傷や侮辱被害も増加しています。

悪意のある書き込みは、まるで刃物のように人の心を深く傷つけ、人生を大きく狂わせてしまうこともあります。

本記事では、ネットの書き込みによる侮辱罪について、被害者目線でわかりやすく解説します。

侮辱罪とは、公然と人を侮辱した者を罰する犯罪です。

2-1.法定刑

  • 1年以下の懲役もしくは禁固
  • 30万円以下の罰金または拘留もしくは科料

2022年7月7日施行の法改正で罰則が引き上げられました。

法務省 侮辱罪の法定刑の引き上げQ&A

2-2.名誉毀損罪との違い

名誉毀損罪:具体的な事実を示している
侮辱罪:抽象的な表現を使っている

2-3.民事上の責任

刑事罰のみではなく、民事上の損害賠償責任も負う可能性があります。

2-4.侮辱罪が成立するポイント

ここでは架空の事例を用いてポイントを解説します。
まず、侮辱罪は刑法第231条で「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者」と規定されていますが、長いので分解して考えてみます。

架空の事例
SNS上で「ブサイク〇〇(フルネーム)はキチガイ」という書き込みがされたケース

結果:侮辱罪の可能性が高い

2-5.名誉毀損罪との比較

名誉毀損罪と侮辱罪は、人の名誉を侵害する犯罪として混同されがちですが、両者には以下のような重要な違いがあります。

名誉毀損罪侮辱罪
具体的な事実を示している
(例)人を騙してお金を集めている等
抽象的な表現にとどまっている
(例)ブス・バカ・ブラック企業・キチガイ等
3年以下の懲役・禁固
50万円以下の罰金
1年以下の懲役・禁固
30万円以下の罰金・拘留・科料
民事責任の可能性あり民事責任の可能性あり
成立の難易度は比較的低い成立の難易度は比較的高い

関連記事:名誉毀損罪について

2-6.名誉毀損罪との違いの重要性

名誉毀損罪と侮辱罪は、いずれも人の名誉を毀損する罪ですが、名誉毀損罪は「具体的な事実を示している」、侮辱罪は「抽象的な表現にとどまっている」という点で違いがあります。

この違いは刑罰の重さにも影響し、名誉毀損罪の方が侮辱罪よりもさらに法定刑が重くなっています。

こうした名誉毀損罪と侮辱罪の違いを理解しておくことは、被害を受けた場合の適切な対応や、加害者への責任追及において重要となります。

法務省 侮辱罪の事例集

ネットの書き込みによる侮辱罪の被害を受けた場合、以下の4つの対応が考えられます。

3-1.証拠の保存

まず、侮辱的な書き込みの証拠を保存しましょう。具体的には以下の情報を保存します。

  • 書き込みのURL
  • 書き込みの内容
  • 書き込んだ者の情報(ハンドルネーム・IPアドレスなど)
  • 書き込み日時

これらの情報は、後の削除依頼や刑事告訴などで必要となります。各情報をパソコン画面に表示させてスクリーンショットで撮影し、撮影したものを印刷しておくなど、書き込みが消された場合に備えて証拠確保をしておくことが最優先となります。

3-2.発信者情報開示請求

裁判所を使って発信者情報開示請求をすると、書き込んだと考えられる者の個人情報を取得できる場合があります。

3-3.刑事告訴と民事訴訟

侮辱罪が成立する場合、警察などの捜査機関に犯人の処罰を求めるため、告訴状を提出して刑事告訴をすることができます。
また、弁護士に依頼するなどして民事上の損害賠償請求をすることもできます。
こうした刑事と民事の手続きは、いずれか一方のみに限られず、特に示談等をしているケースでなければ両手続きを平行して進めることも可能です

3-4.削除依頼

刑事告訴等をしても書き込みが削除されていない場合は、サイト運営者に対して書き込みの削除依頼をかけます。
多くのサイトでは削除依頼用のフォームを提供していますので、まずはフォームに上記の証拠や削除を希望する理由などを記載し、削除依頼をかける方法が考えられます。

ネットリテラシーとは、インターネットを利用する上で必要な知識、技術、倫理観などを指します。具体的には、以下のような内容が含まれます。

  • 情報の真偽を見極める
  • 個人情報の取り扱いに注意する
  • 著作権を尊重する
  • 相手を尊重する

4-1.言葉の責任

ネット上の言葉は現実世界と同じように相手に影響を与えます。軽はずみに発した言葉が、人の人生を大きく左右することもあります。ネット上でも、相手を尊重し、思いやりのあるコミュニケーションを心がけることが重要です。

4-2.ネットリテラシーを高めるために

ネットリテラシーを高めるためには、以下のような取り組みが有効です。

  • 情報源の信頼性を確認する
  • 冷静な判断を心がける
  • 相手の立場に立って考える
  • ネット上のルールを守る

ネットの書き込みによる侮辱罪を防ぐためには、ネットリテラシーの向上と、言葉の責任を意識することが重要といえます。

告訴状の作成はお手本となる記載例を集めることからスタートします。

しかし、告訴状はあらかじめ様式が定められておらず、警察においても積極的に告訴状作成をサポートしてくれないケースもあり、告訴状の作成や提出は簡単ではありません。

この点、「ひながた告訴状」では、記載例から実践的な文章の作り方、警察での手続きの方法についても分かりやすく解説しています。

告訴状をお考えの方は、安心して手続きを進めるためにも、ぜひ「ひながた告訴状」をご利用ください。

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ネットの書き込みによる侮辱罪は、決して許されるものではありません。被害を受けた場合は、証拠を保存し、警察や専門家に相談するなど、適切な対応を取ることで、自分の権利を守ることができます。

しかし、根本的な解決には、ネットリテラシーの向上と、言葉の責任を意識することが重要です。

ネット上の言葉は、現実世界と同じように相手に影響を与えます。軽はずみに発した言葉が、人の人生を大きく左右することもあります。

ネット上でも、相手を尊重し、思いやりのあるコミュニケーションを心がけることが、より良いネット社会を作るために必要不可欠といえます。

瀧行政書士事務所のホームページはこちら

1981年生まれ和歌山県出身の行政書士。京都府警察官を経て京都市内で行政書士事務所を開設。告訴状と遺言書を専門分野として取り扱う。

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